史上最低で最高のライヴ映画で復活

26年前、豪雨の熊本県野外劇場(南阿蘇村)で行われたロックイベントがドキュメンタリー映画として復活し、26日から全国公開される。
 当時の映像は残っているものの、激しい雨に音声がかき消されて全編を通して公開されずにいた“伝説のライブ”。音声を鮮明に記録したテープが見つかったため映画化が実現し、公開前日には復活祭が同劇場で開かれる。
 ロックイベントは劇場のこけら落としとして1987年8月22日夕から翌朝にかけて行われた。故・尾崎豊さんらトップアーティスト13組が出演。雨は開演とともに次第に強まり、詰めかけた約7万2000人の観客の中には、低体温症で倒れる人が続出。約200人が救急車で搬送された。このため、音楽関係者の間では「史上最低で最高のライブ」と評された。
 映像の公開は関係者の念願だったが、スタッフが撮影していた映像は肝心の音が雨で不鮮明で、これまでは一部がテレビなどで放映されただけだった。
 今年5月、音楽会社のスタッフが東京都内の倉庫でマスターテープを発見。ボーカルの声や楽器の演奏を調整する機器の段階で録音したものとみられ、雨などの雑音がほとんどなく鮮明だった。